20231209_グループ展「ELEMENTS」に参加しました。

11月は、奈良で開催されたグループ展「ELEMENTS」の制作でブログが書けませんでした。
そんなわけで、ELEMENTS展が会期終了しました。
グループ展概要(展示のお知らせ記事)はこちら。

作品の写真は、近日制作実績にもアップしますので、チラ〜っと。
本展のために制作したのは中央の大きい作品です。

展示風景

展示のテーマが「ELEMENTS」と決まっていたので、「エレメントたちが中途半端な状態で物質になりきれなかった状態」に着目して描きました。

作品は、真正面から光が射す、すごくいいところに展示できたなあ〜と思っております。
展示してみて「見る角度によって色が違うね!」「ほんまや!」と。部屋の中で、決まった照明で、じ〜っと前だけを見て作ってたので、気づかなかったです。

エレメントの解釈は、皆さんバラバラで、自分の作品を構成するものやエネルギーをエレメントとしていたり、「火」「水」「土」「空気」のどれかに着目していたりと、みんなバラバラで面白かったです。すべてをぶっ込んで安直に色に当てはめたのはわたしだけのようです。

両親がやってきたのでめちゃくちゃ緊張しました。

1日めの夜にはアーティスト・トークがあって、作品の説明を頑張りました。

アーティスト・トークの様子 写真: 生駒 敦

アーティスト・トークの前に「本当は具象が描きたいんじゃないのか」という指摘があって、ない頭を絞りつつ「わたしが抽象画を描く理由」を考えていました。

「わたしが抽象画を描くのは、わたしは目標(決まった正解やゴール)に向かって、計画的に物事を運ぶのが苦手なこと。また、ロジックや言語で会話することが苦手なこと。それらからこぼれ落ちる思いや考えみたいなものを、偶然性に任せて描いている。ゴールは、絵がもう描くなと言ってくる。それまで、色を重ねている」

話したときよりは多少盛りましたが、こんな感じでストンと落とし込んで、自分でも納得がいきました。正解があるとか、計画することは、大嫌いで、絵を描く時ぐらいしたくないのです。イラストを描くのも、楽しいけど、それがつらかったのかなとも…。

展示のもう一つのテーマでもあったAIやテクノロジーについて、みんなでお話しました。「心配だ」と話していたギャラリーオーナーのユージンさんはじめ、それぞれ意見を出し合いました。クローンや3Dプリンターだったりの別の技術であったり、写真コンペでAI生成の作品が優勝した事例、付き合い方であったり、よくわからないけど造り手にとってはちょっと怖いなという意見が散見しました。

わたしはこのように意見をしました。最後の方で発言したので、色々な意見を踏まえての意見です。

「イラスト描けない人がAIに写真を学習させて似顔絵をパッと作ったり、好みの女性の写真をたくさん学習させて理想の女性を作ったりするのは、便利だしやればいいと思う。作りたい人は、ほっといても作る。テクノロジーは利用するもの。贋作や、クローンは避けられない。だから、アウトプットに対し『どこに価値を置くか』が重要。本物であるのか、作ったひとなのか、体験なのか、バックボーンなのか、プロセスなのか。価値観が分断されていく。『価値』を見抜き、考える頭を養うことが重要なんじゃないか」

AIの時代に入ってきて、もう怖がってもしょうがないと思っています。
逆説的な例で、ステッカー屋のB-SIDE LABELで、「AIに描かせた」ことをコンセプトにしているシリーズの商品を買いました。説明を聞いたときは、そんな!ってなったのですが、考えると、いまはまだAIに描かせたこと自体に価値をつけて面白がれる段階なんだと思うのです。
説明されなければ、なんにも気にしないで買ってたかもしれないけど…。

これからは、アウトプットを作る・見るときに、自分は何に価値を置くのかという「価値観」をしっかり持っとかないとあぶないなあと思っています。

ギャラリーの近くにある古墳

あとで、自分と、他のアーティストの作品をみた親から、「凄い人たちの中におってんな〜」と話してました。奈良を拠点に活躍するすごいアーティストさんの中に、紛れて参加してていいのかな〜という感じでしたが、大きめの作品の発表の機会をもらえてすごく嬉しかったです。

SPACE DEPARTMENTのユージンさん・しげこさん、参加アーティストの皆様、来てくださった皆様、応援の念を送ってくださった皆様、ありがとうございました。